M23 主催者企画ミーティング
コーディネーター |
桑江朝比呂(港空研) 鎌田磨人(徳大) |
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話題提供 |
松島肇(北大) 鈴木高二朗(港空研) 宮田正史(国総研) |
趣旨 |
グリーンインフラとグレーインフラには一長一短がある.例えば,一定の外力に対する防災機能を考えると,コンクリート構造物100%で強固に防護した方がグリーンインフラよりも高い効果が得られる.ただし,維持管理コストは高く,多機能性もあまり期待できない.グリーンインフラは適切に維持管理することにより,劣化を防げるばかりか生物の成長や分布拡大による機能強化も期待できる.あるいは,被災時にも自己回復力を見込めるため,結果として維持管理コストの低減が可能である.一方で,グリーンインフラはグレーインフラと比較すると,十分な機能を発揮するまでには植生の成長を待つ時間を要したり,時に生物量が大きく変動したりと,不安定で不確実性が高い. 例えば公共事業としてグリーンインフラの社会実装を進めていくうえでは,以上のような長所短所をいかに計画,設計,施工に取り込めるかが鍵となる.具体的には,その拠り所となっている事業評価指針や技術基準を改定し,いかにしてグリーンインフラの可変性や不確実性,そして多機能性といった特徴を要求性能として定量的に書き込めるかがポイントと考えられる. 本ミーティングでは沿岸域を題材として,主にグレー側からグリーン側へのどのようなアプローチが可能かについて話題提供をいただき,総合討論ではグ両者を融合するための今後の課題について,質疑応答形式で進める.具体的には,グレーインフラのグリーン化に関する現地実験(防潮堤への覆砂による砂丘化),グリーンインフラの減災機能の定量化への挑戦(大型実物マングローブを用いた波浪減衰実験),そして,港湾施設の技術基準の特徴(要求性能の不確実性取り扱い)について話題提供をいただき,総合討論では生態系や生物の専門家から土木分野の専門家によるざっくばらんな討議により,グリーンインフラの社会実装の方向性を見いだす. |
M24 主催者企画ミーティング
コメンテーター パネルディスカッション |
吉田丈人 (総合地球環境学研究所・東京大学大学院総合文化研究科) 西田貴明 (京都産業大学生命科学部) 南崎慎介 (守谷市企画課) 富永 裕之(横浜市環境創造局) 曽根 直幸(国交省都市局) |
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趣旨 |
日本のグリーンインフラは、多くの実務者に認識される段階に至った。しかしながら、総論としてのグリーンインフラの重要性についての理解は進んだものの、評価の方法論や計画論などの各論については、そのノウハウが共有された状況には至っていない。このため、これらを実践するコンサルタントや地方行政職員の日常業務へは、ブレイクダウン出来ていない状況である。 このような問題意識のもと、本ミーティングの企画者グループ(コンサルタント企業6社の実務者)は総合地球環境学研究所のプロジェクト「人口減少時代における気候変動適応としての生態系を活用した防災減災(Eco-DRR)の評価と社会実装」の一環として、グリーンインフラに関する現状の技術水準や社会に実装するための課題、さらには今後必要な取組について話し合う勉強会を形成した。そして2020年6月、実務レベルで活用可能な水準の技術的方法論を整理・体系化した「グリーンインフラ技術レポート」を作成・公表したところである。 本ミーティングでは技術レポートの内容を踏まえ、現場技術者から見た社会実装のための課題や可能性等について参加者と意見交換を行い、「これまでの技術とこれから必要な技術」、「事業推進のための資金面も含めたアプローチ」等、幅広い観点から見た実務的なグリーンインフラ活用に向けた提案をまとめることを目指す。 |
M25 主催者企画ミーティング
発表 |
第1セッション:海・アマモ場の現状(主催者企画ミーティング) 第2セッション:アマモ場をめぐる活動の展開(協賛ミーティング:セブン-イレブン記念財団) 第3セッション:ブルーカーボン(90分:協賛ミーティング:みなと総合研究財団) |
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趣旨 |
アマモ場再生に取り組んでいる地域の主体、行政、関係団体、支援する企業などとともに、アマモ場と間接的につながっている河川・湖沼・森林など陸上のGIの関係者を参加者として、GIとしてのアマモ場の認識、その機能の多様さについての理解を深め、その保全・再生に向けた行動の必要性について共通の理解を醸成し、広い関係者間のネットワークを構築・維持・拡大することを第1の目的とします。さらに、将来的な目的としては、例えば、全国的な情報や活動のプラットフォームの設置に向けた行動など、多主体的で具体的な行動のきっかけとなることを目指します。 -第1セッション:海・アマモ場の現状- 1.趣旨説明(海辺つくり研究会・古川恵太)(5分) 2.中学生からのメッセージ(三重中学校他)(15分) 3.基調講演(北海道大学・仲岡雅裕教授)(10分) 4.ラウンドテーブル(各地からのリレートーク)(30分) 市民の目(ふくおかFUN、海プラスSOU、たてやま海の鑑定団) 漁業者の目(葉山アマモ協議会、宮古湾の藻場・干潟を考える会、山川町漁協青年部会) 教育者の目(うみの幼稚園、三重県プロジェクト、熊本大学) 自治体の目(志摩市、備前市里海・里山ブランド推進協議会withICM、博多湾NEXT) 5.もうすぐ高校生サミット(共存の森ネットワーク・吉野奈保子、高校生サミット参加校)(15分) 6.パネル討論(海辺研・木村尚、共存の森・吉野奈保子、大阪湾研・岩井克巳他)(15分) |
M26 公募ミーティング
趣旨 |
福岡ではこれまで、雨庭や公共空間のグリーンインフラの取り組みが熱心に行われてきた地域である。雨水流出抑制をはじめ、景観形成、生態系保全などの効果をもたらすグリーンインフラは、日本庭園の作庭技術や緑地形成などの造園技術を活用することで、より一層質の高いものとなりうる。 本年4月には、福岡県内の造園にかかわる4つの協会を中心とし、産学官の連携による「福岡グリーンインフラ研究会」が発足した。都市における豪雨対策とまちづくりにおいて、造園技術を活用する分散型水管理を基本としたグリーンインフラの推進がスタートしたところである。日本の文化としての庭づくりの技術、自然再生、メンテナンス技術を背景とした、福岡ならではのグリーンインフラ推進が望まれる。 本ミーティングでは、①広場・公園、②街路、③都市開発・公共空間、④戸建住宅を主な対象とした雨庭の4つを主なテーマとし、民間・大学・行政より福岡で実際に行われているグリーンインフラ事例を紹介する。また、福岡で進めるべきグリーンインフラの展望についてディスカッションを行う。 1.福岡での実践例紹介 ①広場・公園 ・福岡市、北九州市 ②街路 ・福岡県、公益社団法人福岡県造園業協会 ③都市開発・公共空間 ・九州産業大学 山下三平(スマートスクール) ・内山緑地建設株式会社(アクロス福岡) ④戸建住宅を主な対象とした雨庭 ・九州大学 田浦扶充子 2.ディスカッション コーディネータ 島谷幸宏(九州大学) パネラー 山下三平(九州産業大学) 久保田家且(西日本短期大学) 福岡県公園街路課 福岡市住宅都市局 北九州市建設局 日本造園建設業協会福岡県支部 福岡県造園協会 福岡市造園建設業協会 北九州緑化協会 田浦扶充子(九州大学) |
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M27 公募ミーティング
発表者 |
林博徳 (九州大学大学院) 大嶋正紹 (神興小学校) 佐藤真由美 (主婦) 品田祐輔 (福津市) 子どもたち (福間南小学校) 上西郷川日本一の郷川をめざす会のメンバー |
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趣旨 | 上西郷川では、環境と防災とを統合した河川改修に取り組んできた。あるいは市民・行政・大学で連携した川づくり活動を展開してきた。そのプロセスにおいても、徹底的な市民参加で行い、小学校や保育園などの教育施設をはじめとする多様な主体の参加と連携を繰り返しつつ、実践的な取り組みが展開されている。近年ではその取り組みが評価され、土木学会デザイン賞受賞や小学理科の教科書(東京書籍)に掲載されるなど高い注目を集めている。このような上西郷川における取組みの目指すところや成果は、グリーンインフラのめざすところと近いものがあり、他の事例関係者に対しても非常に良い刺激を与えるものと思案している。そこで、本ミーティングでは、上西郷川での取り組みについて広く紹介するとともに、全国各地における類似の事例に従事する実務者や、川や環境のことを学習したいと考えている学生諸氏、あるいは市民の方々等と情報交流をし、より持続的で豊かな川づくりや地域づくりについて議論を深めたい。また、本ミーティングには地元で活躍する小学生や地域の方々にも出席して貰い、天候や調整次第ではあるが現場からの中継などもしつつ、明るく楽しいイベントとしたいと考えている。地元にとっては、全国各地の従事者からの注目を浴び、あるいは評価や刺激を受ける機会となり、より活動の活性化につながることを期待している。 |
M28 公募ミーティング
発表者 |
1.中村晋一郎(善福寺川を里川にカエル会/名古屋大学)「ミーティングの主旨:善福寺川と善福蛙」(10分) 2.杉並区立井荻小学校「井荻小学校での善福寺川再生の実践」(10分) 3.杉並区立東田中学校善福寺川研究部「善福寺川研究部の研究活動」(10分) 4.渡辺博重(善福寺川を里川にカエル会/井の頭かいぼり隊/NPO法人すぎなみ環境ネットワーク)「遅野井川の再生まで道のり」(10分) 5.滝澤恭平(善福寺川を里川にカエル会/水辺総研)「善福寺川グリーンインフラプラン」(10分) 6.渡辺剛弘(善福寺川を里川にカエル会/上智大学)「今後の展開:善福寺川がつむぐ,世代を超えた協働―都市の水辺環境再生プロジェクト」(10分) 7.全体ディスカッション(30分) 司会:三田秀雄(善福寺川を里川にカエル会/杉並区立東田中学校) |
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趣旨 |
近年,新型コロナウイルスの問題と相まって,都市の水辺の価値は一段と高まっている.しかし,都市の水辺は人口が増大する中で,水質の悪化や洪水流量の増大などの課題が発生し,それらに対応するため,河川のコンクリート化や合流式下水道の敷設が進み,川の機能を十分に果たせなくなっている.これらの課題を克服し,人と生き物が共生する豊かな水辺空間を再生するためには,それを失った時間と同じくらい長い時間を要する.よって,都市の水辺を再生するためには,世代を超えた多様なステークホルダが水辺の価値を共有し,その実現に向けて協働していく必要がある. 東京都を流れる善福寺川では,子どもたちや地域の大人,流域内外の専門家といった市民が集い,市民力によって都市の川を里川へと再生する取り組みが2011年から始まっている.善福寺川も他の都市の川と同様,河道はコンクリートで固められ,一定以上の降雨時には雨水とともに生活排水が一緒に川へと流れ出る合流式下水道越流水(CSO)が発生する典型的な都市河川である. 本ミーティングでは,東京・善福寺川で実践している都市の里川再生プロジェクトを通して得られた知見や経験をもとに,都市の水辺再生に向けた世代を超えたステークホルダとの協働の可能性と課題について議論する. |
M29 企業協賛ミーティング
講演 |
・「不動産・グリーンインフラとESG投資~ESGからインパクトへ」 CSR環境デザイン投資顧問株式会社 社長 堀江 隆一氏 ・「ABINC(エイビンク)の活動について」 ABINC制度部会リーダー/株式会社 ポリテック・エイディディ 伴 武彦氏 |
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パネルディスカッション |
堀江 隆一氏(CSR環境デザイン投資顧問株式会社 社長) 伴武 彦氏(ABINC制度部会リーダー/株式会社 ポリテック・エイディディ) 平松 宏城氏(一般社団法人グリーンビルディングジャパン 共同代表理事) 一言 太郎氏(国土交通省 都市局都市計画課長補佐) 新井 聖司氏(ABINC効果検証WGチームリーダー/大日本コンサルタント株式会社) |
趣旨 |
ESG投資の世界的な潮流をうけ、環境に配慮したビルや事業所、いわゆる「環境不動産」が投資対象として注目を集めています。これに合わせて、開発案件における環境への貢献や社会課題解決を評価、認証する制度が広がっています。ビルの省エネといった環境負荷低減の視点や、緑地の生きものへの配慮といった生物多様性の視点からこうした認証制度はスタートしましたが、いまでは、環境や緑を活かし人の暮らしをより豊かに健やかにする方向へと進んでいます。そして、これらのインパクトの評価方法が問われ始めています。これはESG投資で最近注目を集めるインパクト投資にも通じる文脈です。 グローバルなファイナンスの底流を踏まえ、自然環境と共生した、働きやすく暮らしやすい、より安全なまちづくりを加速するための議論を行います。 |
M30 主催者企画ミーティング
プログラム |
◇オープニング:解題・話題提供者の紹介(5分) コーディネータ:一ノ瀬 友博(慶應大学) ◇話題提供(45分) 糸長 浩司(日本大学) 「人新世/気候非常事態/大災害世紀に生き残るためのバイオリージョナル デザインは可能か」 吉川 夏樹(新潟大学) 「気候変動下における水田のグリーンインフラとしての機能」 橋本 禅 (東京大学) 「農村地域におけるグリーンインフラの戦略的展開に向けた視点」 ◇ディスカッション・参加者質疑(35分) コメンテータ:村上 暁信(筑波大学),上野 裕士(内外エンジニアリング) ◇クロージング(5分) |
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趣旨 | 人口減少,高齢化を前提として,気候変動への対応が急がれる中で,グリーンインフラやEcoDRRを取り巻く議論は,都市分野や環境分野で主に進められてきている。しかし,豊富な自然資本を有する農山漁村こそグリーンインフラやEcoDRRの社会実装において大きな潜在力を秘めている。本セッションでは,農村地域の有するグリーンインフラの活用可能性について,特に「水」や「農地」の役割に注目しつつ,さまざまな面から検討する。 |
M31 主催者企画ミーティング
発表者 |
<司会:山下三平(九州産業大学)> ・オープニング・メッセージ:門川大作(京都市長) ・趣旨説明:森本幸裕(京都大学・京都市都市緑化協会)・山下三平(九州産業大学) ・事例発表 <伝統を探る> 1)真如寺の雨庭と敷地デザイン:江上正道(真如寺)、丹羽英之・阿野晃秀(京都先端科学大学) 2)光明禅寺枯山水庭園の雨水のさばき方:持続と変容:山下三平(九州産業大学) 3)比良の里の地域に根差した利水と治水の要素と体系:深町加津枝(京都大学) <新しい試み> 4)京都駅ビル緑水歩廊の狙い:高浦敬之(京都駅ビル開発) 5)京都市動物園の宮家の庭:和田貴子(植弥加藤造園) 6)京都市の道路型雨庭:岩村謙次(京都市) 7)和の花と雨庭を地域に:中野和典・服部容子(日新電機) 8)福岡の民間企業敷地における雨庭のデザイン:岩隈仁(立花建設) <コメント・質疑応答> 長畑 和典(KES環境機構)、井上和彦(京のアジェンダ21フォーラム)、藤木庄五郎(バイオーム)、久保田栞(京都市)、佐藤正吾(京都市都市緑化協会)ほか <まとめ> 森本幸裕・山下三平 |
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趣旨 | 枯山水庭園など、伝統的な雨水のさばきかたを知り、温暖化適応に資する新しい雨庭グリーンインフラデザインの要件を、事例をもとに探ります。今後の社会実装に向けて、都市の生物多様性に資する、魅力的かつ機能的な都市グリーンインフラの方向性を、専門家、事業者、行政、市民など様々な立場から考えます。 |
M32 企業協賛ミーティング
発表 |
第1セッション:海・アマモ場の現状(主催者企画ミーティング) 第2セッション:海の森づくりの取り組みとねらい(協賛ミーティング:セブン-イレブン記念財団)←本提案 第3セッション:(仮題)ブルーカーボン(90分:協賛ミーティング:みなと総合研究財団) |
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趣旨 |
アマモ場再生に取り組んでいる地域の主体、行政、関係団体、支援する企業などとともに、アマモ場と間接的につながっている河川・湖沼・森林など陸上のGIの関係者を参加者として、GIとしてのアマモ場の認識、その機能の多様さについての理解を深め、その保全・再生に向けた行動の必要性について共通の理解を醸成し、広い関係者間のネットワークを構築・維持・拡大することを第1の目的とします。さらに、将来的な目的としては、例えば、全国的な情報や活動のプラットフォームの設置に向けた行動など、多主体的で具体的な行動のきっかけとなることを目指します。 本ミーティングは、企画ミーティング「アマモ交流会 -グリーンインフラとしてのアマモ場- 『海・アマモ場の現状』」と連携し、特に海と陸の森づくりの連携や長期にわたる活動の維持・展開を標榜する取り組みに焦点をあてて以下の発表を予定しています。 |
M33 公募ミーティング
主催者 |
増井太樹 西廣淳 |
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趣旨 |
燃料革命・肥料革命以前、人は草原や雑木林などの「里山の自然」を、肥料・飼料・燃料の供給源として利用してきた。同時にこれら里山の自然は、防災や地下水涵などの機能を果たしてきた。また大陸系遺存種や撹乱依存種を含む多様な生物相が維持されてきた。いわば生態系の供給サービスの享受を原動力として、結果として調整サービスや基盤サービスが維持される仕組みが存在した。近年、気候変動の進行や生物多様性の損失に伴い、調整サービスや基盤サービスの重要性はますます高まっている。供給サービスの需要が低下した現在、里山の自然資源はどのような仕組みで管理できるのか?より端的にいえば、誰が・何のために草を刈り、木を切るのかという課題を、特に管理の影響を敏感に受ける生態系である草原を念頭におき議論する。ミーティングでは、人と自然のかかわりの歴史の中での草原の変遷を整理したうえで、現代・未来的な茅・茅場の利活用や社会・経済システムとリンクした新しい自然資源活用の事例を紹介し、グリーンインフラ時代の里山のあり方について議論する。 〇趣旨説明 西廣淳(国立環境研究所) 〇話題提供 「阿蘇研究から草原を考える」 島谷幸宏(九州大学) 「茅葺きルネサンス」 上野弥智代(日本茅葺き文化協会) 「里山も守られる『社会のしくみ』をつくってみた」 白川勝信(芸北高原の自然館) 「新しいかかわりの多様性が草原を維持する」 増井太樹(真庭市役所) 〇ディスカッション「グリーンインフラ時代の里山社会デザイン」 |
34 公募ミーティング
コメンテーター |
中村太士さん(北海道大学) 原慶太郎さん(東京情報大学) 日置佳之さん(鳥取大学) 萱場祐一さん(土木研究所) |
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進行 |
松島肇(北海道大学)
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趣旨 |
2011年3月11日に発生した東日本大震災からまもなく10年が経とうとしている。この間、大災害からの復興を目指し、インフラのあり方や土地利用の見直し、日常の過ごし方など、様々な議論が進められ、事業が実施されてきた。その一つにグリーンインフラがあった。東日本大震災以降、注目を集めたグリーンインフラは、その後の毎年のように発生する観測史上初と言われるような大規模自然災害の多発への対応策として、様々な取り組みが実施・検討されるようになったが、発端となった東日本大震災からの復旧・復興現場では、この10年間でどこまで実現できたのであろうか。 本ミーティングでは、仙台海岸を中心に、グリーンインフラと位置付けられる海から陸域までのグラデーションを形成する生態系の連続的な景観である、砂浜海岸エコトーンに着目し、この10年間での事象や取り組みに対する研究成果や課題について、6名の話題提供者からそれぞれ異なる観点・取り組みに関する話題を紹介いただき、各取り組みや全体としての課題や展望について現地をよく知るコメンテーターからフィードバックを受け、次の10年を考えるきっかけとしたい。 なお、オンラインミーティングでかつ、割り当てられる時間が90分と限られるため、一人あたり5分程度で話題提供いただくライトニングトークとし、全員の話題提供が終わった段階で、コメンテーターからコメントをいただき、最後に話題提供者から一言づついただく形式を想定している。 話題提供は以下の方々。 平吹喜彦さん(東北学院大学):海岸エコトーンの紹介 永松大さん(鳥取大学):12万年前のグリーンインフラ 岡浩平さん(広島工業大学):海岸林と後背湿地〜レフュージアとしての連続性 黒沢高秀さん(福島大学):東日本大震災で復旧された海岸防災施設のGIとしての可能性 島田直明さん(岩手県立大学):インフラ基盤を育てる取り組み 朝波史香さん(徳島大学):海岸マツ林を守り育てる地域の思い |
M35 公募ミーティング
モデレータ |
村川友美(株式会社リバー・ヴィレッジ)
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発表者 |
発表者①:佐藤辰郎 所属:九州大学大学院工学研究院附属アジア防災研究センター) タイトル:小水力発電-水という自然資源の活用― 発表者②:西田健人 所属株式会社リバー・ヴィレッジ タイトル:中山間地域での小水力発電の実践 発表者③:大津愛梨 所属:O2 Farm タイトル:ヨーロッパにおける小水力発電を含む再エネ利用の事例紹介(仮題) |
趣旨 | エネルギーは生活に欠かすことのできない大切なインフラです。しかし、私たちは長らくの間、エネルギーの生産と供給のほとんどを海外に依存していました。また、現在でもエネルギーの多くは有限資源である化石燃料から抽出されています。2015年、パリ協定で温室効果ガスの排出抑制目標が決定され、世界的な取り組みが求められていることからも分かるように、再生可能エネルギーの開発は、今後日本の新たなエネルギーインフラ整備として重要な取り組みとなってきます。自然の恵みを賢く活用するインフラがグリーンインフラだとすれば、再生可能エネルギーはグリーンインフラの一つであると言えます。しかし、現状では再生可能エネルギーはグリーンインフラとして明確に位置付けられているわけではありません。またグリーンインフラとしての報告も多くはありません。このミーティングでは、地域固有の資源である水を活用した小水力発電の取り組みや、自然や人の暮らしと向き合いながら、適切に水の恵みを活用する取り組みを紹介しながら、「グリーンインフラとしての小水力発電」を議論したいと思います。 |
M36 公募ミーティング
発表者 |
①報告・情報提供 石川県立大学 上野裕介 「まちづくりにグリーンインフラを活かす:金沢SDGsミライシナリオの紹介」 いであ株式会社 国土環境研究所 幸福智 「国際統合報告フレームワーク(IIRC)における6つの資本分類に基づく地域の持続可能性の評価指標の検討」 珠洲市役所 企画財政課 兼 能登SDGsラボ 宇都宮大輔 「珠洲市における主観的幸福度の評価結果とグリーンインフラの貢献可能性」 宗像市議会議員 上野崇之 「宗像市の自然と世界遺産を活かした地域コミュニティの活性化」 株式会社日本政策投資銀行 北栄階一 「地域の価値とグリーンインフラ」 ②ディスカッション コーディネーター : 石川県立大学 生物資源環境学部 上野裕介 テーマ : グリーンインフラによる地域の魅力と持続可能性への貢献 |
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趣旨 |
わが国では、人口減少・少子高齢化に伴う土地利用や地域コミュニティの変化や、気候変動に伴う災害リスクの増大など、急速で大きな変革期が訪れている。このため社会的命題として、自然資源の持つ多様な機能を賢く利用するグリーンインフラの取り組みを通じて、持続可能で魅力ある国土・地域づくりを行うことが求められている。 これは、グリーンインフラを活用しながら、地域全体を経営体と見立て、地域に存在する資本を持続可能性や魅力度といった観点からマネジメントしていくという発想とも言い換えられる。例えば自然資本が豊かであれば、ヒートアイランドの緩和への貢献や、健康面での満足度も上昇し、人的資本が豊かであれば、革新的なビジネスが創出され、経済発展にも貢献する。他方、余剰資本の存在は、非効率なまちの経営や未利用資源を意味し、資本の価値が低く評価されたり、地域の魅力や住民の満足度の低下につながったりする。そのため、経営体としてのまちが目指すビジョンと成果目標、PDCAによる継続的改善のためのKPI(重要業績指標)や投資を促進するための情報開示に役立つ指標が必要である。 そこで本ミーティングでは、グリーンインフラ指標を試行的に設定し、その結果を報告する。さらに、内閣府認定のSDGs未来都市である石川県金沢市と珠洲市、福岡県宗像市からそれぞれの取組みや評価についての報告を受け、グリーンインフラによる地域の持続可能性や魅力度への貢献可能性と、地域経営のためのKPIや情報開示を目的とした指標のあり方を議論する。 |